ごあいさつ

東北大学大学院工学研究科
機械系長 教授 和田 仁
東北大学機械系は,1919年(大正8年)に旧東北帝国大学に初めて工学部が設置されたときから,大学とともに歴史を歩んできた伝統と実績のある学科です.現在の機械系は,工学部設立時の機械工学科に加え,戦前から戦後にかけて設立された航空工学科と機械第二学科を母体として,ここから発展してきた研究室よりなっています.組織の発展,改編に伴い,現在は複数の研究科,専攻等にまたがる分野横断的な教育・研究組織に成長し,一体運営されています.その研究領域は多岐にわたっており,機械科学や設計,製造など,従来の機械工学の基礎に立脚しつつもそのフロンティアを目指して,機械の知能化及び情報化,マイクロ・ナノ機械システム,航空宇宙工学,ロボット,バイオエンジニアリングなど,様々な複合領域に範囲を広げ,これまでに数多くの独創的な研究成果を生み出し,機械工学の発展に貢献してきました.
文部科学省の21世紀COEプログラムには,機械系の専攻,流体科学研究所が中心となった3件のプログラムが採択されました(平成14年度1件,平成15年度2件).機械系が中心となった21世紀COEプログラムが2件以上認められた大学は他にありません.現在では,このプログラムの実績を踏まえ,これをさらに発展させたグローバルCOEプログラムにも採択されています.このように東北大学機械系は,日本を代表する教育,研究組織として,新たな産業創生に繋がる人材育成や科学技術の発展と革新への貢献が期待されております.平成16年度には,工学研究科機械系4専攻の改組が完了し,機械システムデザイン工学,ナノメカニクス,航空宇宙工学,バイオロボティクスの4専攻体制に移行しました.この4月からは,まもなく到来する超高齢化時代を背景とする社会的な要請により,医療・福祉に関する統合的な科学技術開発を目的とした医工学研究科も発足します.これに,技術社会システム専攻,情報科学研究科,環境科学研究科,流体科学研究所,多元物質科学研究所の関連分野を加え,東北大学機械系は,新たな発展の時期を迎えようとしています.
東北大学機械系は,建学以来,一貫して掲げている「研究第一主義」の伝統を受け継ぎ,積極的に社会の発展に資する,開かれた大学を目指して,研究成果の紹介や研究室見学会などを実施し,情報発信を行ってまいりました.また,機械工学の面白さをぜひ知っていただきたいという思いから,毎年各地で高校生を対象としたオープン講義も開催しています.これらの活動の一環として,2003年,2004年と東京地区にて初めて機械系フォーラムを開催し,大変ご好評をいただきました.本年は,機械系の多種多様な研究分野のパネル・機器展示に加え,最先端の研究成果をご紹介する新技術セミナー,誰でも参加できるオープン講義やサイエンスカフェ,それにロボットの実演など様々なイベントを企画し,4年ぶりに3回目となるフォーラムを秋葉原で開催いたします.ご多忙とは存じますが,多数の皆様の参加を心よりお待ち申し上げます.